ノラ猫

 
可愛いなんて言葉、今までだって散々言われてきた。

玩具としての意味でも
女の子との意味でも……。

その時は何も感じなかったはずなのに、智紀に言われると胸の奥がくすぐったい。

けど……



「結局、あたしって猫扱いなんだ」



自分が智紀にとって、ペット感覚の存在なんだと思い知らされて、それが腑に落ちないような……心がモヤッとした感覚になった。


「え、もしかして凛、拗ねてる?」
「拗ねる?意味わかんない」


どうしてあたしが、それにたいして、拗ねないといけないんだ。
智紀にとってあたしが、どんな存在だってべつにかまわない。

ただここに居させてもらえるんだったら……。


「ぷっ……ほんとお前って可愛いのな」
「は?」


だけど智紀は、さらに面白そうに吹き出すと……


「っ……」


そのまま頭を引き寄せ、自分の肩にもたれかからせた。