ノラ猫

 
凛が家に帰った?
あんなに毛嫌いしている家に……?

絶対に自分から帰るわけない。
無理やりあいつら親子が連れて帰ったに決まっている。

だとしたら、なんとしてでも探し出さないと……。


やり場のない焦りだけが取り残されて
凛を探し出す術をどうにかして見つけなければならなかった。




それから毎日必死に探した。

仕事は極力最低限に。
本当なら、仕事すらも投げ出したい。

だけど社会人として、どうにもならないこともあって、キャンセルできないものだけは引き受けるように。


それ以外はすべて凛を探すことに全力を注いだ。


けど、最悪だ。


食べることことも、寝る間すら惜しんだ俺の体は
ついに悲鳴をあげて限界を越え……



「おい!横川!!」



仕事場で、俺は意識を失った。