目を覚ました彼女は、思った以上にまだ幼くて……
俺よりも10個も年下。

未成年を家に連れて帰るとか、俺って犯罪犯してんじゃねぇの?

そうは思っているけど
本人が帰る家がないと言っているんだから仕方がない。


氷のように冷たい瞳の合間に見える
ゆらゆらと揺れた動揺。


ああ、この子は、
世界に絶望しているように見えて
ほんのわずかな期待をまだ持っているんだ……。

その期待には、本人すらも気づいていない。
だけどまだ救う隙はどこかにある。


そう思うと、なんとしてでも彼女を救ってあげたいと思った。


一度カッとなって、俺の勝手で彼女を抱いてしまったのは、人生最大の汚点だ。


感づいてはいたけど、彼女の生き方は決して人に胸を張っていえることではない。
それでも、そのことを平然として当たり前のように言う彼女に、自分だけのものにして、二度と他の男に触れさせないようにしてしまおうと思ったんだ。


だけどそんな一方的なこと、彼女が受け入れるはずもなく
目を覚ました時には消えていた。


途端に襲ったどうしようもないほどの後悔。

謝らないと……。
じゃなければ、彼女はより一層、深い傷を負っていく。


一か八かで向かった公園に
彼女は一人ベンチに座っていた。