「いってくる。」
「がんばれ!」
みどりに見送られながら拓海のほうに近づく。
「拓海」
名前を呼ぶとビクッとして、こちらを向いた。
「…なに?」
あまりに、冷たいから、体がすくんだ。
「は、話があるんだけど。」
「なに?」
「ここじゃ、あれだから…図書館…」
「今いえよ」
拓海は、苛立っているように見えた。
仕方が無いから廊下でいおう。
そう、思った時だった。
「拓海ー」
綺麗な女の人の声が私の背後からした。
振り向くと、梅本さんだった…。
梅本さんは、拓海に駆け寄ると、拓海の腕に自分の腕を絡め私に見せつけるように拓海に密着した。
「拓海、この子と何話してたのー?」
拓海に話しかけながら、梅本さんはずっと私を睨んでいる。
「別に、こいつが話しかけてきただけだから。」
こいつ…?
「そーなの?!木下さんだっけ?
うちの、彼氏に何のようだったの?」
「えっ…彼…」
言葉を失った。



