─────校門の前で、淳がいる。
「…………」
昨日、みどりが淳と話してみたらと言っていたけど、やっぱり勇気がない。
それに、誰かを待っているみたいだし。
黙って通り過ぎようとした。
「………………………………………えっ?」
急に、淳に手を掴まれた。
「………ちょっと来て」
そう言うと、淳は、校門を抜けて裏庭へ向かった。
ちょうど、人目のつかないところ。
「ちょっと…なに?!」
ついつい、反発してしまう。
「………………………」
それでも、黙って歩いている。
「…………もう。」
諦めて、私も手を振り払って歩いた。
しばらく歩いて、淳が立ち止まってこちらを向いた。
私も、止まって一定の距離を保つ。
ちょうど、1mぐらい私と淳の間には距離がある。



