お兄ちゃんが、やめてやめてというから
お姉ちゃんとお母さんは質問をやめて台所へ戻った。
「はああ…………………」
疲れたのかソファにいつのまにか座っている。
「お兄ちゃん、いつから彼女いるの?」
「…………………」
「あ、違うよ!お姉ちゃんとお母さんみたいな感じじゃないから!」
「…………1年前ぐらいから」
「1年?!」
「…うん」
「…そっか」
私と、淳も1年はきている。
なのに、お兄ちゃんは幸せそうだ。
なんだか、自分が情けなくなってきた。
「…………お前は?」
「私?」
「うん」
お兄ちゃんとお姉ちゃんには彼氏がいることを話していない。
私は、淳か拓海。
どちらのことを話せばいいのか悩んだ。
「…………えっと…」
「あ、私も話す!菜々子の話きく!」
そういって、お姉ちゃんはドカッとお兄ちゃんの上に座った。
「うっ…」
お兄ちゃんは顔をしかめたけど、気にしない。
「あのね………」
私は、まず、淳のことから話した。
淳のことを話て、拓海のことも話した。
長い話だったのに、お姉ちゃんとお兄ちゃんは真剣に聞いてくれた。
それだけで嬉しかった。



