「菜々子、スープだけど…」
そういって、お母さんはマグカップに入ったスープを渡してくれた。
「ありがとう」
起き上がって、飲もうとしたら
お母さんもソファに座った。
「……………ゴクッ…………美味しい」
「よかった」
「…………………………ゴク………ゴクッ」
「…………辛いことがあるなら…言ってくれたらいいんだからね」
「え?」
お母さんは、私を抱き寄せてそういった。
「我慢しないで、私の娘なんだから。お母さん頼りなさい」
そう言われると、涙が溢れてしまった。
「うわぁぁぁ………んん…………ヒック…」
ひたすら泣く私を抱き寄せて、ずっと背中をお母さんはさすってくれていた。
お母さんは、事情を私に聞かず、ずっと黙っていてくれた。
しばらく泣いていた私は、気がついたら寝てしまっていた。



