「何か話したいことがあったんじゃないの?」
屋上に登るための階段の三段目ぐらいの所に二人で座ると、初めにみどりがそういった。
「なんで…」
「なんでって…。いくら、拓海と一緒に来れないからって菜々子が私より早く来てるのって初めてだし。早く来て話したいことがあったのかなって。」
………みどりは何でもわかってくれる。
私は、昨日、淳が家に来たことや、ごめんと謝られたこと、全部を話した。
話終わると、私の目からは涙が溢れていた。
みどりは、何も言うことなく
黙って私を抱きしめてくれた。
「………………大丈夫だよ。私が菜々子を支えるから………」
「うっ………う″ん″…………うわぁぁぁん…………ひっく………ひっく…………」
しばらく私の涙は止まらなかった。



