そして、見えなくなってしばらくして拓海が教室にあがって来た。
心なしか、いつもより早く登校している気がする。
拓海は、私の顔を見て一瞬固まってしまったけど、すぐに「おはよう」と笑いかけてきた。
きっと、私がいつも来る時間より早く来て梅本さんと仲良くやってるとこを見せないようにするつもりだったのだろう。
私が黙り込んでると、みどりが拓海の所にズカズカと歩いて行って、拓海の胸ぐらをつかんだ。
そして、教室の外に引っ張り出すと、私にこっちに来いというジェスチャーをしてそのまま拓海を連れて出ていってしまった。
私は、慌てて追いかけた。
教室をでて廊下をまっすぐ進んだ所に休憩場所がある。
そこで、何やら拓海とみどりは話しているみたいだ。
重たい足取りの中、頑張って歩いた。



