久しぶりに皆が揃う食卓。
お父さんは夜勤だから寝てるけど。
「帰ってくるっていっときなさいよ~」
お母さんも帰ってくるのを知らなかったらしく、台所でウロウロしている。
「お母さん、気なんて使わなくていいから!」
「俺ら明日の朝には帰るし!」
どうやら、大学が休みで帰ってきたらしい。
「明日には帰るの?!!」
お母さんは、きっと夜ご飯をすごく豪華にする気だ。
「俺ら明日学校あるしな(笑)」
「うん、大変なの」
それから、しばらくお姉ちゃんとお兄ちゃんの話を聞いていた。
2人の話は面白くて、すごく楽しかった。
その時は完全にモヤモヤが晴れていた。
「それにしても…菜々子可愛くなった?」
いきなりお姉ちゃんに言われるものだからびっくりした。
「えぇぇぇ?!! 変わってないと思うよ?」
可愛いくないし、ブスだし………。
「いやいや、女の子らしくなった。」
お兄ちゃんにも言われた。
「………そういう、お姉ちゃんとお兄ちゃんも更に可愛いくなってるし、カッコよくなってるよ?」
お姉ちゃんとお兄ちゃんは美男美女ですごくモテモテらしい。
それは、バレンタインの日や誕生日の日とかに確信した。
だから、ずっと憧れてた。
お姉ちゃんの真似をしてメイクも上手になったのかも。



