仕方がないので、頑張ってペダルに足をかけてこいだ。 最初はかなりフラフラで事故しそうと拓海が後ろで叫んでいたけど、だんだん慣れてきた。 「あ、ていうか…どこ行くの?」 そう言えば、行き先を決めていなかった。 「…………菜々子は何したい?」 「んー………特にない」 「俺も」 なんで、先に行き先を決めなかったのか。 今更後悔しても遅いけどね……。 拓海も私も苦笑い。