冷たい雪の上に座り込んで、自分で持ってきたポットでお湯をかける。
そして、柔らかくなった部分を少し掻き分ける。
氷のように硬かった雪はゆっくりと溶けていく…。
彼女の表情はどこか不安そう。
俺はグッと足に力を入れて抜く。
彼女は驚いた表情。
指先は赤くなっていていた。
腕や足は青白い。
どこか今にも崩れそうな色をしている。
「…ごめんな!?ランニングしてて足の感覚がなくて、ズッてハマるから…!」
謝るしかない。
俺、焦ってる?
どうして?
こんなに焦ったことあったっけ?
「だ、大丈夫だって。冬なのにランニングって凄いじゃん!」
彼女は優しく笑って褒めてくれた。

