ランニングコース 〜君の愛のこもったLoveLetter〜1


「伊川さん、彼女でしょ?行ってください。俺も用事あるんで」

「あ、スマン…」

苦笑いでそう言うと、一目散に部室を飛び出した。

その姿に部員は目が点。

「…よく分かったな」

経介は伊川さんの焦りっぷりに驚いている。

そりゃ…雪が積もってる中に、彼女が外で彼氏が部室なんて嫌だろ。

「みりゃ、分かるよ。時計チラチラ見過ぎだし…いつもより言葉濁してるし」

「へー、俺は分かんなかったな」

「あ、俺も帰るよ」

俺はマフラーをしっかりと首に巻く。

「おー、汰架矢もか…。じゃあまた明日な!」

「おう」

俺は手を振って、部室を後にした。

ゆっくりと歩いているつもりなのに…。

いつもよりか歩くスピードが早い。