経介は少し呆れ顔。
「真面目に言ってる?」
「あ、うん」
スギちゃんだろ?
「…天然だ」
経介はまたため息をつく。
そして何も関係していない伊川さんと岡山さんに声をかける。
「伊川さん、岡山さーん」
「んー?」
伊川さんはいつもより早くせっせと手を動かしている。
絶対…急いでる。
外は真冬並み。
俺からしたらもう冬だけど。
ココは結構寒くて、雪が降りやすく…積もりやすい。
手を止めずに俺らの方を振り向いた伊川さん。
「伊川さん、聞いてください。汰架矢は無自覚な天然です」
「そーなの?…まぁ、見た目的にも…ね?」
曖昧に誤魔化そうとする。
言葉を濁して…チラチラと目線は、時計に。
ほら、今日は彼女の斎藤さんが待っているんだろう。

