この空の下で


あれから毎日メールがくる。
繋がらない電話も、
1日に最低でも10回はかけてきている。

もう二週間経つのにそれは変わらない。


愛してる。会いたい。

1日に何度送れば気が済むのだろうか。

でも、メールに変化も訪れた。

家に今から向かうから。
そんな脅す様なメールは来なくなった。
一度も来なかったけど、
あたしは音を潜め、
ビクビクしながら毎日を過ごしていた。

一度だけ、
あたしがいない時に来たみたいで、
ポストに手紙が入っていた。
開ける事なく捨ててしまったけれど、
いつになったら終わりが来るのか、
わからなくなっていった。

メールの音が鳴る度、
ビクっとしてしまう。
無音にしても、
今度はピコピコ光るランプに怯える。

1ヶ月経った頃、
このままだといけないと、
思える様になって、学にメールをした。


明日のお昼に、
駅前のコーヒー屋に行くので来て下さい。


あたしが着いた時にはもう学がいた。

久しぶりと言うあたしに、
ごめんと言いうつ向く学。
ものすごくやつれた気がした。

そうだ!この人元々は優しかった。

高校生の頃、
告白される度にあたしが好きだと、
その相手に伝えていたっけ。
俺の女になんかしたら、
女でも許さねえからって言いながらも、必ずありがとうは言ってたよね。
あたしを毎日、
実家に送り迎えをしてくれてた。
女が1人で歩いたら危ないから!
ナンパされても困るから!
よく言ってたよね。
でも、ごめん。
思い出すのは高校生の頃の学だけだよ。

あたしが、
この人をこんなにしてしまったのかな?