この空の下で


黙ったまま下を向き泣いている優に、
携帯貸して?と無理矢理、優から奪った。
奪い返そうとあたしの手を強く掴む優に、
痛いと嘘をつき、あたしは部屋を出た。

まず、メールを全消去した。
その時見えたメールの履歴は、
全て高城さんだった。
読む事なく全て消したけど、
1年位前のあたしからのメールが、
たくさん保存されていた。
幸せでいっぱいのメールを全て消去した。

連絡先を開き、あたしの名前を消す。

ラインを開き、
あたしを消そうと思ったのに、
やり方がわからず、
トークを削除し、ブロックした。

写メもたくさんあると思ったけど、
それはあたしには消せない。

携帯を壊してしまおうかと思ったけど、
近々、自分の番号を変えようと思った。

なにしてるんだろうと、
涙が溢れそうになる。

けど、あたしがしなければ、
優はきっとしないから。

引っ越しもあたしがしよう。
優が引っ越さなかったら、
あたしは、高城さんに会ってしまう。
お腹が大きくなってく所や、
子供と一緒の所なんて、見たくない。

はあ。なんでこんな事してるの?