ピーーーッ…… 病室に乾いた音が鳴り響いた。 藤村拓実は16歳という若さで天国へと旅立った。 不思議と、涙は出てこなかった。 だって、まだ、そこに拓実がいるから。 私の足は不思議とあの、〝思い出の場所〟へと向かっていた。