思い出の桜の木も、段々と色づきはじめて、夏は過ぎ秋となった。 「もうすぐ、一年か…」 桜の木の下で、小さく呟く。 あの日から、拓実の命日から、もうすぐ一年がたつ。 もう、一年。 まだ、一年。 拓実がいなくなってから、私は強くなれたかな…? 答えは分かってる。 どんどん…弱い人間になっていってる。 でも。 拓実の好きな気持ちはかわってないよ。 ずっと、ずっと大好きだからね。