もう少し、このままで。

「・・・・桜子?」

ふと、後ろから、私を呼ぶ声がした。

振り返ってみるとそこには、幼なじみで離れたくても離れられない人。

そう、そこには、

「翔太・・・。」

麻生翔太がたっていた。

「どうしたんだよ!こんな、ずぶ濡れになって!なにかあったんだろうけど、とりあえず、ほら、傘入れ!」

傘をさしだし、自分より、私を優先してくれた。

いっつも、翔太はそうだ。

なにか、あれば、自分よりまず私を優先してくれる。

「ありがとう。でも、翔太も入りなよ」

「俺はいいんだって。」

そういって、傘に入るのを拒否する。

「で?なにがあった?俺に言えそうなことか?無理しなくてもいいけど」

「・・・・・」

「彼氏のことか」

「・・・っ。なんで、わかるんだろうな・・。さすが幼なじみ、だね」

私は涙を隠すように下をむいた。

たかが、幼なじみ、されど、幼なじみ。ってね。

「ばーーーか。」といって思いっきりデコピンをしてきた。

「いったぁぁぁああ・・・!なにすんのさ!!」

「何年一緒にいると思ってんだよ。お前の顔みてりゃわかるようになってくんだよ。・・・わかりたくないこともな」

最後のほうはよく聞きとれなかった。

雨と車の音にかき消されてしまった。

「最後聞き取れなかったんだけど・・・ま、いいや!」

「いいのかい!!!!」

「「ぶっ、はははははっ!!!」」

二人して歩道橋の上で大笑い。

人目なんか翔太としるときは気にならない。

「やっと、わらったな。」と、翔太が、頭をなでてきた。

「へ!?」

ドキン・・・ドキン・・・

変に胸の鼓動が速まる。これはきっと、いきなりでびっくりしたんだ。そうだ、うん。そうだよ。

「桜子はさ、笑顔が宇宙一、似合うよな!!」

そんなこといって、にかって笑うから、どうしていいかわからず、うつむいてしまう。

この胸の高鳴りはなに。へんな病気かな。

「・・・私、病気かも。」

「ありえねぇな。」

「そ、そくとう!!?」

んもう!!!といいながら、翔太の腕をたたいた。

「んな、元気なら問題ねぇつーの」

たたかれたところを抑えつつ、私をみた。

「つか、雨やんだな。」

まわりをみれば、傘をさしてるのは私たちだけで。

他の人は傘をたたみ始めいていた。