「....何やってんだ、あいつ!」

思わず走り出し、
橘の腹を思い切り掴んで自分の方に
引き寄せる。
歩道に倒れ込んだ瞬間、目の前をトラックが
通り過ぎていった。

「おい!お前!何してんだ!」

思わず怒鳴ると、驚いたような顔で
俺をまじまじと見る橘の顔があった。

『如月 春日....?』

名前を呼ばれてドキッとする。
どうやら知っていたらしい。

「お前、俺の事知ってんのか。」

どうやら俺の事を知っていたらしく、
嬉しくてニヤケそうになる。

緩む頬を隠しながら俺は、橘を近くの公園に
連れていき、話を聞いた....。

話を聞いた俺は、愕然とした。
後1年....あまりにも短い命....。

生きる意味を失った橘に、生きる意味を持ってもらいたい。
そう思った俺は、気付けば
言わないはずだった言葉を言っていた....

「俺の彼女になってくれ....」

少しビックリしたような顔をしながらも、
顔を赤らめた橘は首を縦に振っていた。



今日、俺に彼女ができた。