天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}

「本当は…僕が…強い?」

僕の呟くような問いに、男は無言で頷く。


「貴様!さっきから邪魔しやがって」

ミサイルを破壊した魔物達が、僕達に向かってくる。

男は手を広げ、念じる。

すると、ドーム状の結界ができる。

勢いあまった魔物一匹が、結界にぶつかり、弾き飛ばされる。

「結界?」

他の魔物の手から、電撃が放たれるが、結界に弾かれる。

「くそ…」

魔物は舌打ちする。

「君は…アルテミアに選ばれ、時空間をこえられる程の戦士だ」

男は結界を張りながら、話し続ける。

「本来ならば、こんな使い魔如きに、手こずりはしないはずだ」

僕はカードを見、一応確認するけど、

「で、でも…」

「君に、カードの表示は意味がない」

魔物の攻撃は、続いていた。

「どうした!こうやって、ずっとここにいるつもりか!亀のように!攻撃しないのかよ」

奈津子を殺した魔物が、吠える。

「ミサイルは、もうなくなったようだな」

魔物達の挑発に、男はフッと笑った。

「攻撃できないのか!」

魔物は顔を結界に寄せ、嘴でをつつき、挑発する。

男は右手で結界を張りながら、左肩をすくめた。

「攻撃系の魔力は、すべてあげたんでね。それが…禁呪の魔法を使った…俺の対価さ」