「まあ……いい」

美奈子は呟くように言うと、明菜を見つめ、

「とにかく…次の電話を待ちましょう。多分…それが…」

そして、神野を見、

「決戦の時よ…」



「決戦の時……」

明菜はぎゅっと、携帯をまた握り締めた。


神野はその言葉に、わなわなと体を震わせると、

突然、その場で土下座した。

「神野さん!?」

驚く二人に、神野はさらに頭を下げ、

「すまない…。こんな危険なことに、巻き込んでしまって」

額を地面につける神野の前に、明菜はしゃがみ込み、

「顔を上げて下さい。これは…神野さんのせいじゃなくて……もともとあたしの運命なんです」


「運命……」

顔を上げた神野に、明菜は微笑み、

「多分…生まれた時から、決まっていた…運命…」

明菜の頭に、赤星浩一の姿がプレイバックする。

懐かしげに、目を細める明菜を…神野は目を見開いて、見つめた。


「あたしは……」

美奈子は、腕を組んで、二人の横に立った。

「知らないで、すませないたちなんでな」

美奈子は、顔を上げた二人にウィンクした。

そして、美奈子は空を見上げた。

「この空の下で…何が起こってるのか…。そして、起こさない為には、どうすればいいのか…。あたし達は、見極めなければいけない」

美奈子の言葉に、明菜と神野は頷いた。