轟の強さに、魔神は感嘆した。

再び轟の正面に戻ると、

「我が名は、ギラ。天空の騎士ギラだ。そなちの名は?」

轟は、ギラの方を睨みながら、

「轟雷蔵…」

名前を言うだけで、轟の口から血が溢れる。

「轟雷蔵…」

ギラは、その名を復唱すると…フッと笑った。

「雷か…」

轟は、ギラがいると思われる方に構える。

しかし、もう手が上がらない。

目は、先程の攻撃で…もう見えない。


だけど、轟は戦いを止めない。

そんな理由で、止めることなどできなかった。

よろけながらも、前に一歩踏み出した轟に、

ギラは嬉しそうに、大声で笑った。

「同じ属性の者よ!轟雷蔵!そちの名は、永遠に覚えていようぞ」

ギラの右手が、電気でスパークする。

「ギラ・クラッシャー」


まるで…昇ったばかりの朝日のような輝きが、

38度戦の戦場を照らした。

それは…戦いの終わりを、すべての戦士に告げていた。