「あんたが……ライか?」


シャイニングソードを突き出した先に、玉座に座るライがいた。その後ろには……。


「アルテミア!」

十字架に磔にされたアルテミアが、いた。

いつのまにか、僕は城の中にいた。


「さあ…王が、お待ちです」

後ろから声がして、振り返ると、

バイラ、ギラ、サラ…そして、リンネがいた。

リンネ以外は、面識があった。


(このひとが……フレアの姉さん…)

どこか面影があった。

美のフレアと武のリンネ。

世間は、そう言っていたけど……フレアが、姉に劣等感を持っていることを知っていた。

姉は、強さと美しさを持っていると。

リンネはただ、僕をじっと見つめていた。



「赤星様」

バイラが一歩前に出て、僕に頭を下げた。

「あなたが、王に会う前に、2つの壁を越えて頂きたい」

バイラの言葉の意味を、僕は少しだけ考えた。

「一つは、向上心という欲望と……もう一つは、大切なもの…希望だ」


その言葉が終わるが、終わらないかで……赤星の前に、1人の男が現れた。

「この世界に来てまで、制服とは……先輩のセンスを疑いますよ」

防衛軍の白い司令官用の軍服をきた…西園寺が、赤星の前に立った。

「この服は!」

僕は、西園寺の服装を見て、ピンときた。

「お前か!こんな無謀な戦いを、起こしたのは」

僕は、シャイニングソードを下ろし、叫んだ。

「そうさ!だけど……無謀ではない」

西園寺は、にやりと笑った。そこに、鋭い牙が見えた。

「人の可能性だよ!もし、ひ弱な人が、戦えると証明できたら…俺は、魔物と人…この相容れない者どもの、新たな王になる!」

西園寺の瞳が、赤く光った。

その瞳で、僕を見つめ、

「あんただけが、バンパイヤに目覚めたと思うなよ!俺もまた…」

西園寺の魔力が上がる。

その魔力を感じた時、僕は違和感を感じた。