天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}

「えっ!」

アルテミアの体から、鮮血が飛び散る。

スローモーションで倒れるアルテミア。

だけど、視界に映るドラゴンキラーを見つめ………アルテミアは、下唇を噛み締めると、足に力を込めた。

「まだまだ!」

ロバートの姿が、サーシャの雄姿が……そして、腕を斬られても、立ち向かう赤星の姿が……アルテミアの脳裏に浮かぶ。

「あたしは、負けない!」

アルテミアは、ドラゴンキラーを装備した右手に、力を込めた。

「あんたは……お母様じゃない!」

ドラゴンキラーが、真っ直ぐにレイラに向かう。

(あたしの拳が、途中で止まるなら……ロバート!サーシャ!足りない分を補って!)

ドラゴンキラーの切っ先が、レイラに迫る。


「レイラ様!」

バイラが、レイラの前に飛び込もうとしたが……間に合わない。

(さよなら…お母様…)

アルテミアは、レイラに突き刺さることを確信した。



空が割れた。

時さえ、切り裂くような稲妻が、落ちた。





「星の鉄槌です」

オペレーターの報告に、至近距離だった為に、すべてのカメラが焼き付き……モニターが死んだ防衛軍本部の中で、

マリアはため息をついた。

「魔王………」





雷空牙は普段より、威力が抑えられたとはいえ、

落ちた場所を、数メートル抉っていた。

「レイラ様…。お怪我の方は」

レイラの横に、控えたバイラの言葉に、レイラはただ…笑った。


「アルテミアは?」

雷空牙の光りで、一時的に視力を失ったレイラに代わり、バイラが確認した。


「まだ……死んではいません」

抉れた地面の中で、黒焦げになったアルテミアが、倒れていた。

レイラは、拳を握り締めると、穴に背を向けて、歩き出す。

「レイラ様!」

バイラの声を無視し、城を目指すレイラ。

(あたしは…負けていた!)

城を睨み、

(余計な真似を!)