天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}

「!」

自分に向けられた明らかな殺気に、アルテミアは上空から、気が放たれている場所を、探した。

人類が、魔界へ進軍するという動きは、掴んでいた。

朝鮮半島に向かう途中だったアルテミアは、その気が誰のものか知っていた。

翼を畳み、降り立った場所は、アルテミアにとっては、懐かしい場所だった。

マシュマロ森。赤星と融合した最初の頃、ここに来ていた。

アルテミアが放った女神の一撃の跡は、残っていたが…森自体は、まだ半分以上残っていた。

その女神の一撃の傷跡に、1人の魔神が、胡坐をかいて、待っていた。

アルテミアは、その魔神の前に、降り立った。

「お久しぶりです。アルテミア様」

魔神は、胡坐から正座に変わると、手を地面につき、深々と頭を下げた。

その姿に、アルテミアはフンと、鼻を鳴らした。

そして、魔神を見下ろすと、口を開いた。

「久しぶりだな。カイオウ」

アルテミアは腕を組み、

「なぜお前がここにいる?もうすぐ人類による魔界への攻撃が、始まるんだろ?」

「フン!」

今度は、カイオウが鼻で笑い、

「そのようなことは、大した問題ではありませぬ。今、集結している人間達よりも…あなた様の方が、脅威!」

カイオウは、アルテミアを見上げた。

「だから、あたしを殺しに来たと?フン!笑わせるな!」

アルテミアの両手が、スパークする。

「あなた様には、申し訳ございませんが…。ここで、しばし眠って頂く!」

カイオウは、立ち上がり、腰につけた鞘から、剣を抜いた。

「貴様!舐めてるのか!水の神であるお前が、なぜ地上で、剣を持つ!」

アルテミアの問いに、カイオウは剣を一振りした後、右の肩パットを外し、生身を晒した。そこには、深い傷痕が残っていた。

「我はかつて…1人の人間に、剣で負けた!たったの一撃で!」

アルテミアは、カイオウの傷痕を見つめた。

「その剣を振るっていたのが、ティアナ様!」

カイオウはゆっくりと、剣を構える。

「その剣技に惚れた我は、ティアナ様に弟子入りした」

カイオウは上段から、剣を振り落とした。剣圧が、アルテミアの肩を切った。