天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}

「確かに…僕は、人を殺した。人だけではなく…数多くの魔物を…。そして」

僕は、自分の手を見つめ、

「僕は、バンパイアに目覚めた。もう…誰かの血を吸わなければ、生きてはいけなくなった…。僕はもう…もとの世界には、戻れない」

僕は後方で、倒れている舞子を見つめた。

「そして…彼女もまた…」

僕は、舞子から視線を外した。


「殺したのか?」

ティフィンの問いに、僕は首を横に振った。

「殺してはいない。強力な太陽の波動を、彼女にたたき込んだだけだ。しばらくは、彼女の魔力を抑えることができるが…いずれ、また魔力は、復活する」

僕は、舞子に背を向け、歩きだした。

「赤星!」

ティフィンが、赤星の背中に向かって、叫んだ。

「いくな!この大陸にずっといろ!」

僕は足を止めず、崖の先間で歩いていく。 

「ここを出たら、お前はもっともっと戦って、もっともっと殺して、もっともっと苦しむことになるんだ!」

ティフィンは、僕に縋りつこうとしたが……結界に阻まれた。

結界に、跳ね返されたティフィンは、叫んだ。

「さっきも、後悔してないと、言ったけど…本当は、誰よりも、悔やんでる癖に!」


「ティフィン…」

僕は、振り返った。

「ありがとう」

そして、微笑みかけ、

「いつか…この世界から、出れるようになったら……よかったら、遊びにいこう!世界には、美しいところが沢山ある!お前に見せたい!」

僕は、空中に浮かんだ。

「ありがとう!ティフィン!」


(そして、フレア…メロメロ!さらばだ)

僕は一気に、ロストアイランドを覆う結界を突き抜け、


久しぶりに、ブルーワールドの空気の吸った。

外に出るとすぐに、僕の頭に、世界中の魔物の動きが飛び込んできた。

(見える…感じる)

僕はバンパイアになった。

これからは、人や魔物の血がなければ生きていけない。


だからこそ、僕は太陽のバンパイアとして、暖かさと安らぎを、みんなに与えたい。

生きる為に。僕が生きる為に。