天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}

「え…」

舞子には、何が起こったのか、わからなかった。

速過ぎた赤星の剣さばきに、痛みすら感じなかったからだ。

「どうやら…これが、おかしいようだ」 

舞子の乳房に、張りついていた二枚のブラックカードだけを、赤星は斬り取っていた。

ブラックカードは、真っ二つになり…舞子の足下に落ちた。


「きゃーっ!」

露になった乳房を、慌てて両手で隠し…その場でしゃがみ込んだ舞子。

赤星は、そんな舞子を無視して、地面に転がるカードを見下ろした。

真っ二つになっても、まだ脈打つっているカードに、シャイニングソードを突き刺していく。

「このカードは、何だ?」

自分でも持っているが、そんなに危険なものだったとは…。

「こいつは…闇。負の力、そのものだ…」

ブラックカードのことは、気になるが…今は、それを気にしている訳にはいかない。

蹲る舞子の前に、赤星は立った。

ブラックカードが、外れたのに…舞子の冷気は、治まっていない。

「カードのせいじゃないな…。どうやって、この力を手に入れた?」

赤星の高圧的な物言いに、舞子は下から、赤星を睨んだ。

「どうして、クラークを殺した?」

赤星は、舞子を見下ろし、

「僕が、殺したかもしれないが…彼は自ら、死ぬことを望んでいた」

僕の言葉に、舞子はキレた。

「死を望んでたから、殺していいのか!」

「わからない」

僕は、素直に思いを口にすると、舞子に手を差し出した。

「だけど……」

僕は、舞子をじっと見つめ、

「クラークは、あなたがこうなることは、望んでなかったはずだ」

「よくも、クラークを!」

もう胸を隠すこともやめ、赤星に襲い掛かる舞子を、赤星は炎の気で、吹き飛ばした。

赤星は、数メートル先で倒れる舞子に向かって言った。

「僕はクラークを殺した!それが正しいのか?間違っているかは、わからない。だけど…後悔はしていない!」

僕は、シャイニングソードを構えた。

「赤星浩一!」

「彼もまた…後悔はしていないはずだ」