天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}

ディグの背中に、新しい翼がはえる。

エンジェル・モード。

しかし、その姿は天使には見えない。

自分の背丈の倍はある翼が、パラシュートのような役割をはたし、落下を止めた。

ゆるやかに、漂いながら、ディグは、地上に着地した。

「大丈夫?」

マリアの言葉に、ジェシカは全身をチェックした。

アルテミアに殴られたところだけが、抉れている。

「大丈夫です」

すぐに、抉れた部分も、補修される。



「まったく…核でさえ傷をつけれなかったディグを、拳だけで砕くなんて…」

マリアは、安堵の息を吐いた。

「だけど…砕けなかった」

マリアは、煙草をくわえた。

「今は…それが、大切ね」


西園寺は、フンと鼻を鳴らし、指令室から出ていった。

「いいデータが、取れたわ」

マリアは1人、ほくそ笑んだ。