「だけど…ブラックカードは、今の一枚だけでしょ。余っているのは」

マリアは、西園寺に肩に手を乗せた。

「あれは、松永のだ。まだ俺の分がある」

西園寺は、自分のカードを取り出した。

「二枚じゃ…話にならないわ」

マリアは、クスッと笑った。

「だが…ブラックカードの量産化は、無理なんだろ?」

西園寺は、マリアの手を払い、彼女の目を見た。


マリアは肩をすくめ、

「そうね。これを…いえ、カードシステムを造ったティアナは、最強の戦士であると同時に、優れた学者でもあったわ」

マリアは、西園寺が持つブラックカードを掴むと、

「カードシステムは、素晴らしい。だけど、このブラックカードだけが…そのシステムから外れている…まるで、バグのように…」