天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}

「なるほど…」

男はフッと笑い、

「うわさは、本当だったみたいだな。炎の盗賊団……魔物と一緒にいると」

男は持っていた剣を、一振りした。

(日本刀?)

僕は、男が持つ独特な美しさを醸し出す刀が、日本刀に見えた。

少し刀身は、細いが。

「が!しかし!」

男は、擦り足から、一瞬にして間合いを詰める。

「ティフィン!離れて!」

僕はライトニングソードで、応戦する。

剣と刀がぶつかり合い…力任せに、僕は押し戻される。

「この弱さは、何だ?」

男は、刀を持つ右手を固定し、左手で手刀を作る。

「そう何度も!」

ライトニングソードが分離し、僕は、体を男と垂直にした。

いきなり支えがなくなり、男の体勢が崩れた。

刀を避ける僕と、男の横顔が重なり、

回転する2つの物体が、男の足と、腹を強打した。

「チェンジ・ザ・ハートか!」

痛みで、顔をしかめた男の動きが止まった一瞬。

僕は、男の後ろに回った。

攻撃した2つの物体は、再び一つになり、僕はそれを掴んだ。

銃口を、後ろから男の首筋に突き付けた。

バスターモード。

ライフルを構える僕は、男にきいた。

「あんたは、何者だ?」


しかし、僕の問いに、男はこたえない。

「ククク…アハハハハハハ!」

いきなり、笑いだした。

「こたえろ!」

僕は、銃口を押しつけた。

「なかなか見事だったよ!しかし!」

男は、ゆっくりと体を回転させた。

驚く僕の目の前に、男の笑い顔があった。銃口は、男の顔に向けられている。

「なぜ…すぐに、撃たない?」

僕は、唖然として動けない。

「期待はずれだな」

そう言うと、男の刀が僕の脇腹に突き刺さった。

「赤星!」

ティフィンが絶叫する。

「人だから…止めは、ささないのか?とんだ甘ちゃんだな」

「なっ」

僕の手から、ライフルが落ちた。

「どうやら…魔力も失ったようだな。そして、この甘さ」

男は、刀を抜いた。

「お前は、人類を守ることもできない…。まして、滅ぼすこともな」

僕は、その場で崩れ落ちた。