「チッ」
老婆は舌打ちした。
ティフィンの前に、回転する物体が飛んできて、空気の塊を弾き返すと、
それは2つに分離し、ティフィンの後方へと還っていく。
そして、赤星の前で十字に重なると、剣へと変わった。
本堂の薄闇の中、赤星の目が赤く光っていた。
「赤星浩一!お前は、危険じゃ!お前は、滅びゆく人という種を救うことも、滅びを早めることもできる!お前は、本当は、この世界に、存在する者ではない!異端者なのだ!」
「この地に、この星に、お前はいらぬ!」
老婆は、指で印を結んだ。
「滅びし者よ!この地に降り立つ悪魔に!同じ滅びを!」
老婆の絶叫が、こだました。
「うん?」
僕は、目だけで左隣を見た。
ミシミシと木が軋む音がしたと思った瞬間、鋭い剣が僕のいた場所に、突き刺さっていた。
「赤星!」
ティフィンが叫んだ。
本堂と隔てている材木の壁が倒れ、凄まじい砂ぼこりの中、数十体の仏像が姿を現した。
「風よ」
そう言うと、老婆は崩れゆく家屋から脱出し、遥か空中に浮かび上がった。
「お前を、我が神の下へたどり着かせぬ!」
「てめえ!」
一瞬で瓦礫と化した家屋から、ティフィンが飛び出してきた。そして、上空の老婆に向かって、突進する。
老婆は、その行動にせせら笑い、
「己だけでは、無力な妖精が!」
老婆は、再び手をティフィンに向けた。
「同じ手をくうか!」
背中の四枚の羽根を畳むと、銃弾のようなスピードになり、空気弾の軌道を外し、老婆の伸ばした右腕にそって飛び回ると、
頭突きを、老婆の顎にお見舞いした。
「どうだ!」
老婆の顎が跳ね上がり、決まったと思った瞬間、
ティフィンの右足を、老婆は掴んだ。
「たかが、コモン妖精の癖に!」
老婆は軽々と片手で、ティフィンを振り回すと、
木造が、動き回る瓦礫の上へ、ほおり投げた。
「きゃっ!」
目が回りながら、ティフィンは仏像の上に落ちていった。
老婆は舌打ちした。
ティフィンの前に、回転する物体が飛んできて、空気の塊を弾き返すと、
それは2つに分離し、ティフィンの後方へと還っていく。
そして、赤星の前で十字に重なると、剣へと変わった。
本堂の薄闇の中、赤星の目が赤く光っていた。
「赤星浩一!お前は、危険じゃ!お前は、滅びゆく人という種を救うことも、滅びを早めることもできる!お前は、本当は、この世界に、存在する者ではない!異端者なのだ!」
「この地に、この星に、お前はいらぬ!」
老婆は、指で印を結んだ。
「滅びし者よ!この地に降り立つ悪魔に!同じ滅びを!」
老婆の絶叫が、こだました。
「うん?」
僕は、目だけで左隣を見た。
ミシミシと木が軋む音がしたと思った瞬間、鋭い剣が僕のいた場所に、突き刺さっていた。
「赤星!」
ティフィンが叫んだ。
本堂と隔てている材木の壁が倒れ、凄まじい砂ぼこりの中、数十体の仏像が姿を現した。
「風よ」
そう言うと、老婆は崩れゆく家屋から脱出し、遥か空中に浮かび上がった。
「お前を、我が神の下へたどり着かせぬ!」
「てめえ!」
一瞬で瓦礫と化した家屋から、ティフィンが飛び出してきた。そして、上空の老婆に向かって、突進する。
老婆は、その行動にせせら笑い、
「己だけでは、無力な妖精が!」
老婆は、再び手をティフィンに向けた。
「同じ手をくうか!」
背中の四枚の羽根を畳むと、銃弾のようなスピードになり、空気弾の軌道を外し、老婆の伸ばした右腕にそって飛び回ると、
頭突きを、老婆の顎にお見舞いした。
「どうだ!」
老婆の顎が跳ね上がり、決まったと思った瞬間、
ティフィンの右足を、老婆は掴んだ。
「たかが、コモン妖精の癖に!」
老婆は軽々と片手で、ティフィンを振り回すと、
木造が、動き回る瓦礫の上へ、ほおり投げた。
「きゃっ!」
目が回りながら、ティフィンは仏像の上に落ちていった。


