「あら…逃げた」 女の目の前で、松永は消えた。 「まあいいわ」 女は肩をすくめ、正志がいた場所に歩いていく。 突風が吹き、正志だった灰が飛んでいった。 そして、風に飛ばされず、残っているものを、女は拾い上げた。