「違うメロ〜」

涙を流すメロメロの両頬は、真っ赤に腫れ上がる。

見兼ねた僕が割って入る。

「やめろ!服がどうした!俺もずっと、この服だぞ!」


僕の言葉に、ティフィンとメロメロの動きが止まる。

二人は、同時に僕を見ると、

「てめえはいいんだよ!」
「兄貴は、黙るメロ!」

二人に睨まれて、僕はシュンとなった。

「すいません…」

僕は、なぜか謝った。

それを確実すると、またティフィンは蹴りを再開し…メロメロは蹴られる。



「なぜだ…俺が悪いのか…」

自己嫌悪に陥った僕の肩に、無表情のフレアの手が乗った。

「フレア…」

無表情だが…僕を慰めているのだろう。ひどい仕打ちの後は、ほんの少しの優しさが染みた。


しかし…

違った。


フレアは、無表情のまま、上着を指で摘んで、僕に見せ付けた。

そう…

これも、嫌がらせだった。

僕は、顔を引きつらせながら、笑うしかなかった。