「ティフィン!今まで、どこに行ってた?」

僕の質問にも、ティフィンはこたえず、ただ肩をすくめた。

水の妖精であるティフィンは、いつのまにか僕らの仲間になっていた。

戦いになると、いつのまにか消えて…食事時に現れる。

身長40センチ程の小さな体に、四枚のかげろうのような透き通った羽根が、背中から生えていた。

「ティフィンも、そう思うメロか!」

嬉しそうに言うメロメロの肩から、飛び立ったティフィンは、

メロメロの目の前でとまると、

「ところで、メロメロ…。あたしの服は?」

ティフィンは、メロメロに両手を差し出した。

メロメロは、少し視線を外すと…ポツリと呟いた。


「ないメロ…」

「はあ?」

ティフィンは、メロメロの顔近くまで接近すると、耳に手をかざし、聞き返した。

「ないメロ…と言うより…サイズがないメロ…」



「はあ?」

しばらくの間の後、ティフィンの眉間にしわができた。

メロメロは、開き直ることに決めた。

「ティフィンのサイズなんて…」
「気合いで探せや!」

メロメロの言葉が言い終わる前に、ティフィンの蹴りが、メロメロの顔面に叩き込まれた。

歪むメロメロの顔。

「な、何するメロ」

メロメロの目に、涙が浮かぶ。

それでも、容赦なしに、ティフィンの回し蹴りが、またメロメロの顔面にヒットした。

「いつも、いつも…フレアの分だけ盗りやがって!」

ティフィンの表情が鬼のようになり、何度も蹴りを往復ビンタのように、メロメロに叩き込む。

「依怙贔屓か!それとも、いじめか!」