「アルテミア!」

町中で叫んでも、反応がない。

ただ人々が訝しげに、僕を見るだけだ。

でも、人々の目なんて気にしてる場合じゃない。

「アルテミア!」

叫び続けていると、

誰かが通報したのか、

警官が人混みから、僕のそばに近寄って来た。

「君!何を叫んでる」

人相の悪い眉毛の太い警官は、僕の顔をまじまじを見つめ、

「君は、この町の者じゃないな」

警棒と思われたものは、スティックだった。

「君は…」

スティックから、光が放たれ、

僕を照らした。

「この世界の反応がない!?」

驚く警官。

そんな警官の反応を無視して、僕は詰め寄った。

「そんなことは、どうでもいいです!アルテミアが、いるところを知りたいんです!」

「ア、アルテミアって…あのアルテミア」

「そ、そうです!」

警官がスティックを振ると、

僕はその場から、軽く吹っ飛んで、尻餅をついた。

「彼女は、死んだはずだ」

警官は、制服の乱れを整えながら、言った。

「でしたら…僕みたいに、別の世界から来た人を、知りませんか?」

僕は立ち上がると、再び詰め寄った。

警官は思わず後退り、

「別世界!?どうやって来たんだ?そんなことできるのは、神レベルくらいの魔力がないと…無理なはず」