「だるいわ」

神流は、束ねていた髪を解いた。ストレートかと思っていた髪の毛は、ふわっと広がり、結構癖毛であることがわかった。

大地を流れる風に、髪をなびかせながら、神流はゆっくりと、手を突き出した。

「デスランド!」

神流が叫んだ瞬間、広い範囲の土地に亀裂が入り……段差ができた地面に、竜達が挟まって動けなくなる。

「きゃははは」

神流は、お腹を抱えて、笑いだした。

「無様あ」

「召喚!」

笑いながら、ブラックカードをかざすと、連射式のミサイル台が現れた。

「発射あ!」

ミサイルの束は、無害の竜達に、降り注いだ。

それを爆笑しながら、楽しそうに撃ち続ける神流に、後ろから、冷ややかな視線を浴びせる西園寺の横を、正志が通り過ぎていく。

「折角の力だ!使わねえとな」

正志は、フライングアーマーを装着すると、空から攻撃し出す。

「やれやれ…力は、試してみないとわからないか」

頭をかきながら、松永も参加する。但し、剣を持って、混乱する大地に斬り込んでいった。

竜は何もしていない。それに、草食動物のようで、殆んど無抵抗で、やられていく。

西園寺は、その様子を冷ややかに眺めていた。

(あいつらは、馬鹿か?)

温厚だと思われていた神流か、狂ったように、ミサイルを乱射する姿には、少し引いていた。


西園寺はふっと気付いた。

もう1人いたことを。

後ろを振り変えると、自分と同じ無表情の舞子がいた。


この言うとき、話し掛けるのは苦手だが、相手は自分と同じタイプだと思った。

仕方なく、西園寺から口を開いた。

「あんたは、いかないのか」

西園寺の質問に、答えるのに、少し時間がかかった。

(無視かよ)

西園寺は諦めかけた時、

舞子はこたえた。