その代わり…夢を見た。

とても綺麗な泉。

水面に顔を映すと、

とても可愛いブロンドの女の子の顔が、見えた。

覗いたその瞳に、たくさんの魚が映る。

「お母様!お魚が、いっぱいいるよ」

女の子が振り返ると、

日傘をさし、ブロンドの髪を靡かせた…綺麗な女の人が、佇んでいた。

すらっとした細身の女の人。

女の人は、木漏れ日の中で、微笑む。




場面は変わる。


「悪魔ああ!」

人々が、逃げ惑う。

町全体が、水浸しになり、

建物はすべて、炎に包まれていた。

逃げ惑う人々に襲いかかると、

炎の爪が一瞬にして、

何人もの首を跳ねる。

「今日は、大漁ね」

楽しそうに、ネーナは、人々を殺していく。

「そうね」

水に浸かりながら、幼い女の子の首筋に噛みついている…マリーが微笑んだ。

口元から、

血が滴り落ちた。

マリーの周りだけ、異様に水が赤い。

「やはり…十歳までが、おいしいわ」

マリーは舌なめずりをし、

「そう思わない?お前も」


無数の雷が落ち、

建物を破壊し、逃げ惑う人々を焼き尽くす。

雷鳴が轟き、

水面に映ったのは、

黒い蝙蝠の翼を広げた


アルテミアだった。