「死になさい」

魔物の姿になった…マリーの魔力が、跳ね上がる。

「てめえ!赤星だったな」

アルテミアの全身は、汗だくになっていた。

ポイントの残高が、反撃する力がないことを示す。

そして、もう逃げることも。



「A Blow Of Goddess」

マリーの突き出した両手から、巨大な津波が発生する。

空なのに。

地上からは、マグマの龍が、絶え間なく襲いかかてくる。

「は、はい」

僕は怯えながらも、返事をした。

「起きろ!目を覚ませ!」

アルテミアはそう叫ぶと、

「Wind Of Thunder!」

ありったけのポイントを消費し、女神の一撃を放った。

「お前の雷撃は、あたしの水には通用しない」

マリーが、冷笑した。

「死ね!」

炎を纏ったネーナが、背後から迫る。

雷撃は…

誰にも放たれなかった。


「自爆?」

アルテミアは、自らの目の前で、技を爆発させたのだ。

その光と爆風に…僕は目をやられ、意識を失った。


雷撃に包まれたアルテミアを、津波が飲み込み、

炎が襲いかかった。

しかし、

技が消えた後、

空中には、マリーとネーナしかいない。

「めくらましか」

「逃げた?どこに!?」


もうどこにも、

この世界のどこにも、

アルテミアの気配はなくなっていた。