割れた隙間から、炎が空高く舞い上がり、

その中から、

1人の少女が現れる。

「ネーナ」

アルテミアは、その女を睨んだ。

「あらあ〜。久々に会った姉に対して、呼び捨てだなんて」

ヒラヒラのメイド姿に、猫耳。

大きな栗色の瞳に、

両手についた巨大な、鋼鉄の爪。


「てめえ!あたしを呼ぶ為に!あいつらを囮にしたな!」

「てめえ?やっぱり…口のきき方を知らないようね」

ネーナの爪が伸びる。

「あのお…あの人は…」

「黙っていろ!集中できない」

僕は初めて…アルテミアが焦っているのを感じた。

鼓動が、激しくなる。

今までの余裕がない。

「だけど…もうあんたは!妹ではないわ!」

ネーナの言葉に、鼻を鳴らして、

「フン!てめえを姉と!思ったことなんてない!」

アルテミアは、大きく深呼吸して、構え直した。

「やはり…家畜とのハーフなんて、生かすべきでは、なかったのよ」

ネーナは一瞬にして、間合いを詰める。

アルテミアは、目の前に現れたネーナに驚き…急いで後方に、ジャンプした。

だけど、

ネーナの爪が、胸元を切り裂いた。

「逃がすか!一族の恥が!」

ネーナは、爪をクロスし、

「A Blow Of Goddess!」

女神の一撃を放った。