「構わないわ」

ティアナは、それも即答した。

「先輩…」

「だけどね…。そう簡単に死ぬつもりはないわ」

ジャスティンの方を見たティアナは、焚き火の火に照らされ、横顔が、赤く輝いていた。





炎は、何よりも輝いていた。

「先輩!」

ジャスティンは、魔力によって照らされた炎に遮られて、ティアナのそばにいけない。

揺らめいた炎のつくる影は、クラークの影切りも使い憎かった。

「チッ」

クラークは舌打ちした。

旅の果て、魔界にある魔王の居城に、たどり着いたティアナ達は、ついに魔王ライと対峙していた。

ライの両手が、電気でスパークし、ティアナの持つライトニングソードも光っていた。

「話はきいていた…人の身でありながら…我が娘達を倒したと」

ライの言葉に、ティアナは肩をすくめ、

「どんなに力が凄くても、力だけじゃ駄目なだけよ」

「なるほどな」

ライも笑うと、両手をティアナに突き出し、

「だったら…これは返せるかな?」

ティアナは、ライの魔力を感じ…力むではなく、力を抜いた。

「雷(ライ)…」

ティアナは、ライトニングソードを上段に構えた。

「空(くう)」

「モード・チェンジ…」

ティアナは、呟いた。

「牙(が)」

ライの電撃が放たれ、

ティアナは、ライトニングソードを振るった。