天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}

マリーが落ちてくると同時に、何とか痛みをこらえ、ネーナが立ち上がった。

切り取られた鉤爪の跡を、わなわなと震えながら、確認すると、ネーナは上空のアルテミアを見上げた。

「死にやがれ!」

ネーナは、女神の一撃を連打する。

地面が割れ、無数のマグマの蛇が飛び出し、アルテミアに襲いかかる。

6枚の翼を広げ、空に浮かぶアルテミアは、ライトニングソードを足元に向けて、凪ぎ払った。

三日月のような剣圧が、雷鳴とともに、マグマの蛇をすべて消し去った。

「何!」

そして、衝撃波が、ネーナの周りの地面を、すり鉢状に抉り、ネーナの両足もまた、穴の中央で、地面にめり込んだ。

「クッ」

ネーナは顔をしかめながら、蝙蝠の羽を広げ、穴から抜け出した。

「ネーナ!」

片方の羽を半分失いながらも、マリーはネーナの隣まで、飛んできた。

「あたし達2人の一撃を、同時にぶつけ…」

マリーの言葉が終わらない内に、天は雷雲に覆われた。

空が暗くなり、時折光る雷鳴が、一瞬だけ明るくする。

「召還!」

アルテミアは、ブラックカードを胸の谷間に差し込むと、ライトニングソードを天空に向けて、突き上げた。

ライトニングソードは、二本のトンファータイプに戻り、アルテミアの両腕に装着される。

そして、

「出よ!雷神。風神」