目深に被った白いフードの為、相変わらず表情はわからないが…見える口元を覆った白い髭が、年齢を窺わせる。

(一体…こいつは…何年…いや、何百年生きていることやら。他のやつも、素性一つわからない)

表情を変えず、一応心にフィールドをかけながら、クラークは心の中で、他の6人の不気味さに、毒づいた。


「ジャスティンよ…お前は、安定者になって、まだ日が浅い」

老人と思われる安定者の隣の賢者も、口を開いた。

「我々、安定者は直接動く存在ではない」


(馬鹿か…だったら、何の為の無限の魔力なんだ)

安定者は全員、ブラックカードと言われる特殊カードを持っていた。

他の人間のように、いちいち魔物を倒したり、働いたりして、ポイントを稼ぐ必要がなかった。

ポイントはほぼ、無制限に使えた。

戦士が倒したり、市民が働いたポイントの三分の一は、魔法管理局に、自動で搾取されることになっていた。

つまり、税金みたいなものである。

無制限といっても、人間がいなくなれば、ポイントは入らなくなる。

だから、最低限は、守らなくてはならない。

魔法管理局…そして、防衛軍は、その為にあった。

「今回のやつらの目的は、わかっている」

老安定者は、椅子から立ち上がった。