天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}

ステイタスの全身が再びゼリー状になり、

そして、体の形が崩れると、

体の中から、滝のように水が吹き出した。

あっという間に、アルテミアの胸元まで、水が溜まる。

「アルテミア!」

僕は叫んだ。

アルテミアは冷静に、少し口元を緩めながら、呟いた。

「モード・チェンジ」

アルテミアの下半身が、魚に変わり、まるで

人魚のようになる。

アルテミアの水中用戦闘モード……マーメイドモードであった。

あっと言う間に部室は、水でいっぱいになる。

机や椅子が、水中に浮かんだ。

何とか直樹は、水に潜り、泳ぎながら、

香里奈達を助けようとしていた。

だけど、限界がある。

「アルテミア!」

水中で、僕はピアスの中から叫んだ。

アルテミアは頷くと、水中で身を翻し、

両手を、部室の外側の窓へ向けた。

手のひらから、竜巻が発生し、

水中を、まるでドリルのように進むと、

部室の窓ガラスをすべて、破壊した。

濁流のように、水が、窓の外へ流れていく。

「トルネード・サンダー」

竜巻に電気が混じり、水の中で拡散しながら、電気の花火が部室中に飛び散り、スパークし....ステイタスの悲鳴が、それに混じって聞こえた。