天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}

「コラ!ちゃんと、並びなさい」

平然と通り抜けていく美奈子を、止めようとした新任の先生を、他の先生が止めた。

「海童先生。あの生徒は、大丈夫ですよ」

「そうなんですか?」

「先生は、着任したばかりで知らないでしょうが…あの生徒は、優等生ですから」

「…」

海童は美奈子の背中を見つめながら、心の中で鼻を鳴らした。

(まあ…いい。あいつではない)

海童は、校門に並ぶ生徒達に目を戻した。

(用があるのは…1人だけだ)

海童は、鞄のチェックに戻りながら、

目的の人物が来るのを待った。

(早く来い!天空の女神の依り代…赤星浩一)