天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}

「それなのに…どうして…」

絵里の言うことは、もっともだ。

しかし…。

「一応…影響を受けたやつが、同じことをしないように、防止しなければならないらしいし…マスコミへのパフォーマンスもあるだろ」

美奈子は、先生の後ろを見た。

簡易カメラを担いだ…マスコミ関係だと思われるやつらが、数人いた。

美奈子は頭をかき、

「仕方ない…。今日の朝のミーティングはなしだな」

顔をしかめると、列の順番を無視して、校門に向かって歩き出した。

それに…。

「部長?鞄は?」

手ぶらな美奈子に気づき、明菜は美奈子の背中に声をかけた。

「教科書は、部室だ」

並んでる列の隙間を、美奈子は歩いていく。

美奈子は決して、ずぼらではない。

教科書の内容は、すべて把握していた。

美奈子は三年の中で、トップクラスの成績であった。