「じゃあ、またね」

明菜は手を振ると、学校に向かって走って行った。

急いでいるみたいだ。

部活の朝練でもあるのだろうか。

僕は一度足を止め、前を見た。

学校へ続く一本道は、そのまま真っ直ぐ行くと、

すぐに山道と繋がる。

山の麓にある学校。

それが、僕の通う大路学園だった。

一度、大きく深呼吸をすると、

僕も悩みを吹き飛ばす為に、走り出した。

明菜の元気な姿を見たら、自分も少し、元気が出た。

アルテミアもきっと、すぐに元気になる。

と、僕は信じた。