「何?」

アルテミアは、一歩前に出た。

立ち上がったバイラは、アルテミアを見下ろした。

3メートル近くあるバイラの体は、173センチのアルテミアの身長より、遥かに高い。

「我らは、せめて…マリー様や、ネーナ様に、殺される前に、下僕として、最後の勤めを」

殺気を感じ、アルテミアは構える。

「せめて、我々の手で、あなた様を、殺して差し上げましょう」

バイラ達の動きが変わる。

「てめえら如きが、あたしを!」

一瞬にして、近づき、攻撃してきたサラの手刀をかわすと、

アルテミアは、バイラとの間合いを、一気に詰めた。

「寝言は、あの世で言いやがれ!雑魚が」

雷を帯びた蹴りが、バイラの首筋に叩き込まれる。

「な」

アルテミアは絶句した。

蹴りは、人差し指一本で止められていた。

「今…雑魚は、あなただ」

バイラは、悲しげな目をアルテミアに向けた。


「天空の女神でありながら…翼を捨て…地を這う人間に、憧れた時から…」

バイラの指先から、流れた電流に痺れ、アルテミアは、後方に逃げた。

「電気が…あたしに…」

痺れる自分に驚くアルテミア。

「あなたは、弱くなった…。我々が、殺せるぐらいに」

バイラ達は、アルテミアに向けて、手をかざした。

「バイラ」

「サラ」

「ギラ」


「ブレイク!」

圧倒的な雷撃が、アルテミアに放たれた。