「雷!俺達は一体…?」

状況の理解できない…本田に、空牙は頭を下げた。


「すまない…」

空牙が頭を下げた瞬間、

何もない晴天の空を突き破って…巨大な手が現れると、

本田の体を背中から、掴んだ。

「雷!!」

予想もしなかった爪が、食い込む痛みに絶叫する本田の姿に、

空牙は顔を背けた。



「何を…顔を背けまするか?」

空牙の隣に…いつのまにかポセインドンが立っていた。

「あなた様や…王は、人の血を吸わねば、生きていけません…」

ポセインドンは、優しく語りかけるようにいいながら…口調は厳しい。


「ポセインドンよ。よいではないか…」

干からびだミイラのようになった本田を捨てると、

空牙の前に、空牙にどこか似た男がいた。

「魔王…レイよ」

ポセインドンは跪いた。

レイは笑い、

「こやつは…」

空牙を冷ややかな目で、見下ろしながら、

「人間とのハーフ!つまり、出来損ないよ!ハハハハハ!」

レイの馬鹿にした笑いを、

空牙は唇を噛み締めながらも……レイに跪いた。


転がる友の死骸が、頭を下げた空牙の目線に入る。


(俺は………どれだけ…友を生け贄にしたんだ?)





天空のエトランゼ。

太陽のバンパイア…の序章。


太陽の命…開幕。