そのまま…僕と綾子は、風に乗って移動するはずだったが、

足が浮いた瞬間。

「舐めるな!」

綾子の目が光り、両手の爪をトンファーから外すと、そのまま風の壁を切り裂いた。

「お前と話すことはない!」

密着状態から、綾子の膝蹴りが、僕の心臓にヒットした。

風は完全に消え…僕は胸を押さえて、跪いた。

「死ね」

綾子の爪が、跪く僕の後頭部を狙う。

しかし、僕の両手から飛び出したチェンジ・ザ・ハートは、回転し、綾子の腕と足を強打した。

「いつも、邪魔をして」

綾子は、バランスを崩しながらも、チェンジ・ザ・ハートを切り裂こうとする。

チェンジ・ザ・ハートは、攻撃を避けながら、綾子の周りを回って、牽制する。


「赤星!」

アルテミアの声が聞こえた。

「大丈夫…」

僕は立ち上がると、綾子に向かって走る。

「あたしに変われ!」

アルテミアが叫ぶが、 

「駄目だ!この世界では、アルテミアにならない!」

僕は拒否した。

腕を伸ばすと、チェンジ・ザ・ハートは僕の腕の中で、合体し、槍をなる。

「はっ」

気合いとともに、槍を綾子の腹にたたき込んだ。

くの字になる綾子に、僕は槍を回転させて、背中を強打しょうとしたが、

痛みで顔をしかめる綾子の表情を見て、槍を止めた。

その瞬間、綾子の背中の翼が羽ばたき、かまいたちを発生させた。

僕の全身に、切り傷が走る。

綾子はそのまま…空中に飛び上がると、地面に向けて、赤き瞳を向けた。

すると、僕の周囲の地面が盛り上がり…その中から、黒い毬のような生物が、大量に湧き出てきた。

黒い毬の真ん中に、線が入ると…それは開き、口になる。

「魔物?いや…地縛霊か」

アルテミアは、呟いた。

数千はいる地縛霊は、僕に憑依しょうとする。

「そんなものまで…操れるのか…」

アルテミアは、ため息をついた。

チェンジ・ザ・ハートを、また分離すると、僕は再び交差させた。

今度は、ライトニングソードではなく…十字架に似た剣に変わる。

シャイニングソード。

「太陽がほしいか?」

僕は、シャイニングソードを天にかざした。